ケチな人ってどんな人?ケチの生き方を「始末の極意」から学ぶ

2023/10/08

エッセイ

t f B! P L


ケチな人とは、以下の様な人である

〇草花、魚、肉の食材を自己調達すべく海や野山を駆けずり回る。頭の良いケチは農家の人と仲良くなり、畑で健気に雑草を抜くご褒美として農作物を分けてもらう

〇家にある電化製品は時計と冷蔵庫だけ。夜中はロウソクで過ごす。夏は暑く、冬は寒い。さすがに夏の暑さには耐えれないのでウチワを使うが、ウチワを振るとウチワが痛むので顔の方を振る

〇家では裸族で過ごす。常人は晴れた日に洗濯物を干すが、ケチは雨になると洗濯物を出して風呂に入る

〇安売りスーパーを追い求め、10キロ離れた店に中古自転車を走らせ買いに行く。財布は分厚いが、お札が入ってるわけでは無い。チラシから切り取ったクーポン券と小銭でパンパンになっている

〇服、食器、タオルはバザーで調達する。本物のケチは、プロが参加する大規模バザーは狙わない。町内会のバザーのみに出没し、PTAのおばちゃん相手に値切り倒す

〇Tシャツは原色が分からない程に色褪せて、襟元がダルダルになるまで使用し、最後は切って雑巾にする。パンツは前が黄色、後ろが茶色になるまで使用する

〇ティッシュペーパーは一枚一枚剥がしてから使用し、使用後に乾かしてから再利用する。トイレは公衆トイレかコンビニのトイレを使用する

〇趣味は無い。野山を散策し食料を調達するのを娯楽としている。ビジネスライクなケチは、竹藪や橋の下をトレジャーハントして、見つけたお宝を売りさばき生活の糧とする

〇ケチの家は散らかってはいない。整理整頓を好むというより、目ぼしいものは時計、ローソク、冷蔵庫しかないので部屋は汚れない。また、人付き合いをしないので、家を掃除をする必要が無い

〇外食は奢ってもらうのが基本。ゴマすり、おべんちゃらを駆使して相手に奢ってもらおうと必死になる。会計の際には財布を出して払う意思は示すが、「あっ!財布にお金を入れるのを忘れた」「次回は私に奢らせて下さい」は常套手段

〇どんぐりを集めている。どんぐりがいつか通貨になると信じている

ケチの定義

ケチと貧乏は、どちらもお金に関する問題ですが、その原因や結果は大きく異なります。ケチは、お金に対する考え方や価値観の問題であるのに対し、貧乏は、収入や支出の問題であると言えます。

また、ケチと節約は、一見同じように思えますが、両者には明確な違いがあります。

節約とは、必要な出費はそのままに、家計のムダを省いて支出を抑え、貯金を増やすことです。一方、ケチは、本来必要な出費までも削り、お金を出し渋ることを言います。

節約家は目的があってお金を貯めますが、ケチはお金を貯めるために貯めるのです。

ケチがお金を使うときは、自分の買い物をする時でだけであり、価値の合わないモノ、他人にためにお金を出すことはありません。

ケチの心理

ケチな人は何故、ケチになってしまうのでしょうか?

お金に対する不安

ケチな人は、お金に対する不安を抱えていることが多いです。お金がないと困るから、お金を大切にしたいと考えているのです。

お金の大切さを知っている

ケチな人は、お金の大切さを知っています。お金は命と同じであり、お金を使うことは自分の手足をもぎ取られることだと考えています。”無駄遣いをしたくない”お金を使わないことに安心と喜びを感じているのです。

ケチな人の心理は、人によってさまざまです。しかし、上記のような心理が、ケチの行動につながっていると考えられますが、ケチすぎると、自分の人生を楽しめなくなってしまうこともあるでしょう。

私の父は異常なケチであり、家族は貧乏だった

父は先祖代々続く店で商売をしており、休日はゴルフに行ったり、その当時では贅沢品であったビデオ、マッサージチェア、スポーツ車(スカイライン)にお金を使っていた。自分の健康、娯楽の為に金を使い、家族の為にお金を使うことは少なかった。

父は自分の価値観で買うものを決めて、自分が要らない物には金を出さない

自転車を買ってくれない

高校生になるまで自転車を買ってくれなかった。理由は「事故を起こしたら大変だから」である。自転車の乗り方は、友達の自転車を借りて覚えてた。小学校で高学年になり、自転車に乗って友達と遊びに行くことが増えると、私は走って友達を追いかけるしかない。

「自転車を買ってくれ」と懇願したら、どこかで拾ってきたような背の低いボロボロの子供自転車を持ってきた。「赤色の新しい自転車が欲しい」と抗議すると、父は「赤がいいんだな」とボロボロの自転車に赤いペンキを塗りたくった。

スプレーで塗るならまだしも、天ぷらの衣を纏った様な赤いスプラッター自転車は、駆動部にペンキが入り込み、漕ぐたびギシギシと音を立て、ペンキが剥がれ落ちていく。

私は自転車に乗ることをあきらめた。

ファミコンを買ってくれない

子供の頃に流行っていたファミコンが欲しいと父に言うと、「ファミコンは国会でもうすぐ禁止される」「ファミコンを持っているだけで犯罪者になる!」と意味不明な言葉を叫んで怒り狂うので、我が家ではファミコンの話はタブーとなった。

ランドセルを買わない

私の小さい頃は貧乏な家庭も多かったので、ランドセルの無い子供は少なからずいた。私と姉はランドセルを買ってもらっていない。しかし、6歳下の妹の年代では、全ての1年生はランドセルを買ってもらえる様になった。

妹が小学校に上がる際、父はどこかで拾ってきたようなランドセルを用意してきた。ベルトはクタクタ、皮の部分が剥げてボロボロで見栄えが悪い。無邪気な妹が可哀そうでしかたない。

「妹に新しいランドセルを買ってくれ」姉と私は猛抗議したが、父は受け付けない。「貧しい国の子供は学校も行かせてもらえない。ランドセルがあるだけ幸せだ。」

父が何を言ってるか理解できない。

姉と私は貯めていたおこずかいを全て使って、妹に新しいランドセルを買ってあげた。

塾に行かせない

国立大卒の父は、学校の先生になるのが夢だったらしく、「俺が勉強を教えてやる」と小学3年生までは週末に父との勉強を強制された。

掛け算の九九も満足に覚えていない子供に、中学受験の問題集をやらせて方程式を覚えさせようとする。もちろん全くわからない。できないと「こんなこともわからないのか」と殴ってくる。

私は勉強が嫌いになった。学校での成績はいつもビリで通信簿を渡すと、「うちの家系でお前の様なバカはいない、この恥さらしが!」と怒鳴られたが、父が勉強を教えなくなったので嬉しかった。

床屋に行かせない

私は中学生になるまで、床屋に行かせてもらえなかった。髪が伸びてくると父がハサミを持って髪を切りに来る。「お父さんは床屋でも通用する」と妄言を吐きながら、たどたどしい手つきで髪を切っていた。

前髪はガタガタ、後ろ髪はハイエナの様なハゲができて無茶苦茶。そのくせ、切り終わった後は「あら?どこのおぼちゃまですか?」と得意げだ。学校に行くと必ず馬鹿にされた。

小学時代の連絡帳に先生から「髪を自分で切っているようですが、床屋か、ご両親が切ってあげて下さいと」書かれていた。

父に髪を切られるので嫌で逃げ回っていたので、髪の毛はボサボサで原始人の様になっていた。更に勉強が嫌いで不登校になり、野山で遊んでいると「猿人バーゴン」のあだ名で呼ばれるようになった。

クリスマスプレゼントは虚無

誕生日プレゼントは存在しなかったが、クリスマスプレゼントはあった。クリスマスプレゼントは決まっていて、ビデオテープ5巻だけ。

これで、どうしろと言うのだ。

ケチでも高校、大学には行かせてくれた

私は中学1年生の頃は半グレ状態だったが、部活で仲良くなった友人は話も面白く成績優秀であった。彼は公平に物事を見ており、私を差別したりはしない。

父は野山で遊び回る私を見捨てて、姉に期待をしていたが、父の干渉が酷かったため、中学でグレてしまった。

私は賢い友達と仲良くなりたかったので、姉が買ってもらった参考書で勉強を始めると、成績は一気に上がり、中学3年では成績はクラスで1~3番以内になり学級代表にもなった。

とうとう、仲良しの友達と同じの大学付属高校に合格した

私立高校なのでケチな父は絶対に反対すると思っていたが、「俺の出た大学よりは遥かに劣るが、まぁいいだろう」と愚痴をいいながらも費用を出してくれた。

高校を卒業する頃、それまで羽振りの良かった両親の店の景気が悪くなり、従業員の大半を解雇する程に経営は悪化していた。大学はエスカレーター式で誰でも入れたが、今の経済状況では無理である。

また、母に商売を継いでくれと泣いて頼まれており、大学に行く気も元々無かったので、「俺は勉強嫌いだから大学行かない。後継ぐよ」と父に言うと、泣いて喜ぶと思いきや、

「大学だけは行け!その費用は残してある」

私は近所にある自転車で10分のFランク大学に通った。

父は自分勝手で異常なケチであり、ケチなせいで人間関係、家族を壊してしまった。

父の価値観は今でも理解はできないが、親戚への見栄のためであっても、高校、大学に行かせてくれたことだけは感謝している。

私のケチ話

私は嫁と子供3人の5人家族です。

ブラック企業務めが長かったおかげで、貯金がなく貧乏であり、強制的にケチにならざるを得ないのですが、父の様に家族を犠牲にするケチにはならない様にしています。

<我が家のお金の使い方の鉄則>

【家族一緒で楽しめて役に立つモノにお金を掛ける】

【将来の投資(資格・勉強)はケチらない】

【安モノで代用するなら”買わない”を選択】

※いつかはマイホームを建てるのが夢です。

自分の服は買わない

子供達の服を優先して、自分の服は極力買いません。最近は、背の高い長男の服のお下がりを着る様にしています。

スーパーでお得に食材を購入する

安売り店をあちこち探すより、業務用スーパーで食材を揃えるのが基本です。肉や魚は大型店舗の値引き品を狙いましょう。狙い目は雨の日で午後8時30分で40%以上値引きされた食材を買うのがおススメですね。

車はコストパフォーマンスの良い中古車を買う

家族に車は必要ですが、値段が高い人気車を選ぶ必要はありません。かといってボロボロの訳アリ中古車では家族を乗せれません。そこで、相場が安く、性能が良くて、維持費の掛からない中古車を選びます。

✅生産終了のシリーズ後期の車

✅不人気車だが性能は良い

✅多少の傷、凹みは我慢する

✅ミニバンで積載能力が高い

✅ガソリン車で乗りやすい

この条件に見合うものを探した結果、5年前に【マツダミニバン スカイアクティブ プレマシー20S 4万km】をコミコミ80万で購入しました。

愛車マツダ プレマシー

不人気車ですが、マツダ最高傑作のミニバンであり、ハンドリングと走行性に優れています。他の中古車で150万以上する人気ミニバンより、コストパフォーマンスは遥かに高いとおススメできます。

買い替える理由がありませんので、私はあと5年は乗り続けるつもりです。

子供とのお出かけは、景色の良い野山や海浜公園

大手企業に転職した際、初めてのボーナスでUSJの年間チケットを購入しましたが、子供達は5回程度で飽きてしまいました。あちこちのイベント会場にも行っても、最初は喜びますが、途中でダレてきて「早く帰ろう」と言いう始末。

結局、子ども達は何も無い方が楽しめます。

景色の良い所で家族でお弁当を持ってハイキングしたり、テントを張ってBBQしたり、広場で野球やバトミントンをして体を動かすのが最強ですね。

海浜公園、キャンプ場等では、自分たちで遊びを見つけて一日中楽しんでいます。

そこで大阪府で超おススメするのが「堺市 海とのふれあい広場」です

お金を使わなくても楽しく、子供も大満足。

海とのふれあい広場 堺市 (sakai.lg.jp)

海に近い公園で景色の良い海を一望でき、釣りとBBQができるのが魅力の広場です。

✅駐車場代が無料

✅BBQ広場、釣りも楽しめる(全て無料)

✅車でしか行けないため人が少ない

✅テントを自由に張れる

✅グラウンドで野球や、テニス、ボール遊びができる

✅利用者層が家族連れのため安全

お弁当、食材、遊び道具はすべて持ち込みになるため、余計な費用は掛かりません。

近くには岩盤浴、露天風呂、10,000冊以上の漫画を備えたスーパー銭湯【堺浜楽天温泉 祥福】があり、「堺市 海とのふれあい広場」で汗をかいた後は、銭湯に入って、漫画を読んでゆっくり夕刻まで過ごすのもおススメです。

温泉に入ったとしても、家族5人で0円~5000円以内に収まり一日中楽しめます。

ケチの生き方を考える

落語「始末の極意」は、ケチな男が、吝嗇の大家から始末の極意を学ぶという話です。

ある男は、ケチな性格で、いつもお金を節約することに気を配っていました。ある日、男は、吝嗇の大家からケチを学ぶため、彼のもとを訪ねます。

ある夏の暑い日に、大家のもとを訪ねると、大家は頭上から吊るした大きな石の下に座っていました。男が何故そんなことをするのか尋ねると

「この石は、いつ落っこちてくるかわからない。だから、私は汗をかかない」

大家の徹底したケチぶりに感銘を受けた男は、大家から教えられた節約術を実践し、徐々にお金を貯め始めました。しかし、男は、節約に熱中するあまり、ケチすぎる行動をとるようになってしまいます。

食事時になると、隣りの鰻屋で焼く鰻の匂いを嗅いで、それをお菜にご飯を食べるという徹底したケチぶりを発揮しました。

ある日、隣の鰻屋がやって来て

「お勘定をいただきにまいりました」

「鰻なんか食った覚えはねえ」

「いいえ、鰻の匂いの「嗅ぎ賃」をいただきに」

「よし。今払ってやるから待ってろ」

そう言うと、ケチな男は懐中から金を出して、ちゃぶ台の上へチャリンと音立てた

「おまえさんは「嗅ぎ賃」と言ったな?」

「だから金の音だけ聞いてとっとと帰れ」

始末の極意とは?

男は最後に、大家からケチの神髄【始末の極意】を伝授されます。

<大家は男に松の木にぶら下がる様に指示します>

「左手を離せ、離したら小指を離せ」

「離した」

「薬指を離せ、次は中指を離せ」

「もう落ちそう」

「いいからやれ、次は人差し指を離せ」

「無茶いうたらあかんがな、これは離せん」

「そうじゃ!今、お前さんの枝を掴んでいる指の形を見ろ!人差し指と親指の輪で【円】になっておるじゃろう!金は掴んだら絶対に離すな、それが極意じゃ!」

始末の極意?

男は最後に、大家の話を聞いて、始末の極意とは、お金を節約することだけでなく、人生を楽しむことであることに気づきます。

ケチすぎると、人生を楽しむことができないということです。お金を節約することは大切ですが、節約にばかり目が向きすぎて、人生の楽しみを見失ってはいけません。

ケチな人は、お金を節約することに異常な執着心を持つことがあります。しかし、その一方で、ケチな人は、お金を大切にする心を持っているとも言えます。

ケチと節約のバランスをうまく取ることで幸せのヒントが得られるかもしれません。

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