これまでのあらすじ
前回
探してタマゴ鳥③ タマゴ鳥Aを徹底検証<都市伝説と目撃証言の信憑性>
タマゴ鳥Aは人工物の見間違いなのか?
目撃者は鳥の様なモノを確実に見ていますが、
姿を描いたタマゴ鳥の絵は、妖怪の類の形をしています。
タマゴ鳥Aの絵 |
本当に鳥なのでしょうか?
私が気になっているのは、タマゴ鳥Aは木や電柱に止まった状態で動いた証言がありません。
以降に鳥として調査するためには、
人工物の見間違いでない証明する必要があります。
- 電柱の上や、木の上に自力で存在できる飛翔体
- 形状はタマゴ型で、目玉や足、くちばし等の突起物がある
以上の条件に該当する人工物が当時あったのか?
故郷の現場を訪れて色々な仮説を立ててみました。
風船の可能性
小学校での風船とばし
昭和の小学校では、授業や創立記念日などのセレモニーで「風船とばし」を盛んに行っていました。風船とばしの際は、メッセージや返信用の住所を書いて飛ばすの一般的でしたね。
昔は、SNSやブログがありません。面識のない人たちとのコミュニケーションの手段は、「文通」しかありませんでした。情報誌や、小学〇年生の雑誌には、文通希望の欄が必ずあった時代です。
小学校の風船とばしで返信があった場合は、学級新聞に載りました。
小学校で飛ばした風船は山側に浮かんで、県境の山を越えて飛んでいきます。市街地の集合団地とは正反対の方向で、目撃場所周辺に風船が飛来したことは一度もありません。
右側 小学校 |
幼稚園と保育園で使用した風船
風船が舞い上がって、電柱や木に引っ掛かった可能性はあった?
目撃場所は、幼稚園と保育園が隣接している場所です。運動会やイベントで風船を使うことはありましたが、団地に囲まれたエリアにあるので、風船とばしは禁止されていました。
運動会やイベントで使用される風船は、門飾りのレイアウトで貼り付けているだけで、園庭から風船が出ることは少ないでしょう。
また、保育園の園庭は盆踊りの際に使用されて、自治体から風船が配られることもありました。
縁日などの小規模のイベントで手渡しされる風船は、浮かんで電線等に引っ掛かり迷惑が掛からない様、棒に巻き付けて固定されており、外れると空気がすぐに抜ける仕様になっていました。
また、空気はヘリウムガスを使用しておらず、自治会のテントの中で、初老のおっさんが顔を真っ赤にして唾を飛ばしながら作っています。
仮に強風で木の上や電柱に引っ掛かったとしても・・・
どこから見ても風船は風船です!
タマゴ鳥Aで描かれた目玉も、クチバシもありません。
凧の可能性
目玉が特徴 ゲイラカイト |
竹串で和紙を張り付けた和式の四角い凧は既に時代遅れになっており、ビニールと強化プラスチックを骨組みとした洋式のゲイラカイトが主流になっていました。
黄色い目玉が描かれた奇抜なデザイン。風を掴むとあっというま垂直に飛び上がり、ぐんぐん空を登っていきます。
風を受けてバタバタと稲妻の様な轟音を響かせ、左右上下に暴れる凧を制御するのは爽快です。ゲイラカイトの強い引きを体験したら、もう他の凧は使えないほどエキサイティングな感触を味わえます。
凧揚げに改革が起こった時代です。
ゲイラカイトは子供達の間で爆発的なブームを引き起こし、お正月になると河川敷、田んぼ、校庭解放された小学校で色とりどりのゲイラカイトを揚げていました。
タマゴ鳥Aの描写の大きな特徴は、「目玉」があることです。
目玉があることは、認知機能に大きな影響を与えます。
<パレイドリア現象>
視覚や聴覚で得た対象を、実際には異なる別の既知のものと認知、解釈してしまう現象。
関連する事象に、ミシュラク現象(類似現象)というものがあり、人は3つの点が配置されていると、本来は顔と意図していなにもかかわらず、目、口と捉えて顔に見えてしまったり、そこに感情を抱いたりすることがあります。
意識するとコンセントが困った顔に見える? |
人が外敵を判断するため、脳が人間や動物の顔を識別するための防衛本能といわれています。
心霊写真を信じている人が、写真の中の建物のシミや、木々の隙間、雲や霧を見ると、目や口を探しだして、顔が映っていると勝手に解釈してしまう現象によく似ていますね。
顔だ!心霊写真の大半はミシュラク現象です |
<電柱や木にいる 奇妙な物体>
⇒目玉が見えた
⇒人ではない、空を飛べる
⇒鳥に間違いない
目玉があると、人間は生物(人や動物)と誤認し易くなります。
ゲイラカイトはその制御が難しさから、木や障害物に引っ掛かることが多くありました。
ゲイラカイトは大きな目玉が描かれており、見間違えた可能性は高くなります。
そのような状態から、鳥に見えるのか検証します
木に引っ掛かるゲイラカイト |
写真に目玉は写ってはいませんが、
鳥と判断するには・・うーん、難しいですね。
ゲイラカイトは平面的で三角形の形をしているので、タマゴ形状には見えません。折れた骨組みやタコ糸が、足やクチバシに見えるのかといえばかなり微妙です。
翼を羽ばたかせている様に見えなくもないですが、タマゴ鳥に翼はありません。
鳥というよりも、タコ、イカ、エイの姿に近いと思います。
👻オバケに見えても、鳥には見えないでしょう!
子供達は凧揚げを正月で稲を刈り取った後の田んぼや、校庭解放された小学校のグラウンドでしており、狭い場所や、障害物の多い所で凧揚げはしませんでした。
目撃場所は四方を団地に囲まれています。引っ掛かった状態なら、長時間吊らされていることになり、大勢の目撃者がいてもよいことになります。
鳥よけの可能性
私が幼少の頃住んでいた地域は、山を切り開いた集合団地で、山側では田んぼが多く、稲作が盛んに行われていました。
自然豊かな所で、山、川、池、牛舎、田んぼ、水車があり、野鳥、イノシシ、タヌキ等の動物もよく見かけます。
田んぼや畑では、鳥獣被害から農作物を守るために、手作りの案山子を使っていましたが、小学生の頃には、アドバルーンの鳥よけを見ることが多くなりました。
アドバルーンの鳥除けの種類
①猛禽類(ワシタカ目)の姿をしたもの
凧のような形状をしており、主に畑で使用されていました。
農作物に被害を与えるカラス、スズメの天敵のワシ、タカの姿をしています。
鳥そのものです
※タマゴ鳥Aの形状とは違いますが、鳥だと確実に認識できます。
②目玉の姿をしたもの
小学生の頃の田んぼでは、主に目玉の鳥除けが主流になっていました。田んぼの4隅に竹を差して、紐で目玉を吊るしていました。
上空からでも目立つ黄色に赤枠の眼球が、大型の捕食動物がいると鳥に警戒させます。
「目玉のそのものです」
※鳥には見えませんが、タマゴ鳥Aに姿が似ています。
以上、(1)~(2)鳥除けは「タマゴ鳥A」との共通点が多い事がわかります、
タマゴ鳥Aは鳥除けの見誤りか検証
これまでの検証結果を数値化してみます。
<表:タマゴ鳥Aとの類似評価>
※◎・・3点 〇・・2点 △・・1点 ×・・0点
※飛翔力とは、5mを自力で飛翔できる能力とする
検証の中でタマゴ鳥Aの可能性が高いのは鳥除けですが、総合的に見ると50%以下になります。80%以上でなければ一致しているとはいえません。
鳥除けとタマゴ鳥Aの共通点は多いですが、決定的に違うところがあります、
鳥除けは、重いので自力で浮揚できない
鳥除けは自力で浮揚しているのではなく、ビニールに空気を入れて吊るしているだけで、糸で吊るさないと地面から満足に浮くことはできません。
重量は重く、浮き輪やビーチ―ボールを吊るしているのと同じです。外れたとしても転がるだけで、5mも浮き上がることはないでしょう。
また、設置された田んぼや畑は、目撃場所から500m以上離れており、台風の様な強風で舞い上がったとしても、幾重にも建ち並んだ集合団地の障害物を乗り越えて、目撃場所の5mの電柱や木のてっぺんに乗っかることはありえません。
鳥除けは複数目撃されない
タマゴ鳥Aの証言では、複数の存在が目撃されています。鳥除けは裕福な田んぼの持ち主しか使っておらず、数は4~6個程度しかありませんでした。
紐で縛られた2個の鳥除けが偶然に外れ、偶然に500m以上離れたの同じ場所に飛来した可能性は、ほぼ考えられないでしょう。
次に考えられることは、人為的に鳥除けを目撃場所に設置した可能性ですが、電柱や木の上に設置したケースを私は見たことがなく、世間一般にもありません。
タマゴ鳥Aと姿、形が全一致しない
猛禽類タイプの鳥除けは必ず羽を広げており、タマゴ鳥と一致しません。
目玉タイプの鳥除けに関しては、初めて見て電柱の上にあれば、見間違える可能性は少なからずあります。
ですが・・田んぼ道は通学路で、全ての児童は田んぼで目玉タイプの鳥除けを毎日目にしていました。
目玉タイプは黄色の赤のドギツ色をしており、一度見た人なら「田んぼの目玉があった」と先に言い出すでしょう。
それをクチバシや足がある知らない鳥だと複数人が誤認することは、現実的でありません。
番外編:アート作品の可能性?
鳥の粘土細工 |
0 件のコメント:
コメントを投稿