私はカラオケが嫌いです。
カラオケに楽しみを見出すことができません。聴くのも歌うのも興味がありませんが、職場の飲み会の2次会はカラオケが定番です。
私にとって2次会カラオケは苦痛でしかありませんでした。お腹が痛いから帰らせてと何度も思いました。
しかし、中間管理職が「カラオケは嫌いなんで歌いません」「カラオケは行きません」と場をしらけさせたりするのはもってのほかです。
場を盛り上げたり、コミュニケーションを図る努力をしない者は、人の上に立つことは出来ないでしょう。
中間管理職は「歌うこと」から逃げちゃだめです。
以降は、
”カラオケが嫌いでも、2次会を嫌いにならないで下さい”
歌うのが苦手な頑張る40代の中間管理職
=「おっさん48」と勝手に命名します
これだけ歌えれば安心!「おっさん48」のカラオケ曲
40代の中間管理職サラリーマンのカラオケは以下のシュチュエーションが考えられます
1.職場の2次会で大人数(20代~40代)とのカラオケ
2.上司や役員とスナックでのカラオケ
それでは、各シュチュエーションごとのカラオケ曲を紹介します。
※自分が歌う事よりも、他人に歌わせることに重点を置いて下さい。5曲程度で十分です。以下に紹介する曲をベースに、好きな曲を歌えば十分です。
1.職場の2次会で大人数(20代~40代)とのカラオケ
2次会のカラオケを仕事の延長上のようにすると、部下は2次会に来なくなります。中間管理職はここで部下のガス抜きをしてあげましょう。
「おっさん48」で一番大切なことは
自分を押さえて、場の盛り上げ役に徹することです。
「おっさん48」にとって職場の2次会のカラオケとは、上司の接待をする、部下を慰労する場なのです。
大勢のメンバーでのカラオケとなり、最低でも2時間の長丁場が予測されます。ここは序盤、中盤、終盤に分けて選曲します。
「おっさん48」はナウい歌を選んではいけません。流行りの歌は若手に任せましょう。また、若い世代が全く知らない歌、洋楽、マニアックな歌は避けるべきです。
<重宝される曲は>
□オッサン世代から活躍して、若者にも人気がある歌手のヒットした古い曲。
□古くてもメジャーな曲で誰でも聞いたことがある曲、CMになった曲
□キーの高くない歌やすい曲
どの世代でも「おっと、はいはい」と思わせる、この被らせない微妙な層を狙うのが賢明です。
カラオケの序盤で歌う曲
序盤では盛り上げる曲です。ロック系は女性も好きで乗ってきてくれます。
(1)L'Arc-en-Ciel
□Driver's High
□Flower
(2)COMPLEX
□BE MY BABY
□1990
□恋を止めないで
(3)布袋寅泰
□POISON
□バンビーナ
(4)BOOWY・氷室京介
□KISS ME
□Marionette
(5)BUMP OF CHICKEN
□天体観測
□ray(デュエット可能)
(6)hide with Spread Beaver
□ROCKET DIVE
カラオケ中盤で歌う曲
中盤はダレてくるので、しっとりと落ち着いた曲を選びます。
(1)CHAGE&ASKA
□LOVE SONG
□太陽と埃の中で
(2)サザンオールスターズ
□TSUNAMI
□真夏の果実
□いとしのエリー
(3)長渕剛
□巡恋歌
□乾杯
(4)スピッツ
□空も飛べるはず
□チェリー
(5)福山雅治
□少年
□桜坂
□家族になろうよ
(6)GLAY
□HOWEVER
□グロリアス
カラオケの終盤で歌う曲
(1)ゆず
□栄光の架け橋
(2)THE BLUE HEARTS
□TRIN-TRIN
(3)サザンオールスターズ
□希望の轍
歌ってはいけない曲、選んではいけない曲
「おっさん48」は卑屈に見えますが、”みんなを楽しませる”崇高な目的を持っています。プロデューサーとしての誇りを持ちましょう。そして、以下の行動はしないように慎むべきです。
上司と被る曲
被らない様に念入りに下調べをしましょう。特に上司の十八番を奪ってしまうと不機嫌絶頂になります。ただし、好きな分野の同系の曲だと重宝されます。
アニメソング
ほとんどの上司は対応できません。また、40代が歌うには偏見もあります。若い人が歌うなら良いですが、中間管理職はアニソンが好きでも我慢した方が無難です。
反社会的な歌
やりがちなミスです。
中間管理職が反社会的、自虐、会社に不満のある歌詞の曲を歌ってしまうと、上司や周りはしらけてしまいます。CHAGE&ASKA「YHA、YHA、YHA」長渕剛の「とんぼ」、尾崎豊「15の夜」「卒業」は特にやりがちなので注意しましょう
ADo「うっせぇわ」、BUMP OF CHICKEN「才能人応援歌」はドン引きされます。
一気飲みを促す曲
勘違いした上司が部下を飲まそうと、飲み歌でお酒を強要するのは、個人的に最低だと思います。部下はノリで付き合ってるだけで、盛り上がっていません。強要するのはアルハラでしかありません。
難易度が高い曲もしくはダンス曲
XJapan、B’zはキーが高く上手い人でなければ歌えません。ヘタウマが明確に出る曲は避けるべきです。声が出なくなって途中で演奏を中止すると、上手い人からブーイングがきます。ジャイアンリサイタルは誰も望んではいません。
星野源も手を出さない方が良いでしょう。特に「恋」はダンスとセットです。
デュエットを強要する曲
女性がいる場合、「おっさん48」はデュエット曲を絶対に入れてはいけません。若手がやるのは微笑ましいですが、役職のある人がやるとセクハラ、パワハラと勘違いされます。
おっさんに無理にデュエットさせられた女性は、顔は笑顔でも目は腐った魚の様になっていることに気付くべきです。「愛が生まれた日」なんかデュエットをさせると・・最悪の状況が待っています。
ただし、カラオケが苦手で恥ずかしがり屋の女性がいる場合は、「硝子の少年」「打ち上げ花火」等を入れてあげて、部下にデュエットでフォローさせる気遣いならOKです。
2.上司や役員の行きつけのスナックでのカラオケ
上長や役員の行きつけのスナックに連れて行かされる反強制的な2次もしくは3次会です。開催されるときは、1次会で通知されて「あまり飲みすぎるな」と釘を刺されます。
選ばれた人しか行けない社交場で、無礼講や粗相は許されません。ここでは、上司も完全に接待に回ります。
上級職が集う座談会の飲み会なので、カラオケが主ではありませんが、箸休めで「そうだ君、何か歌ってくれないか?」と振られるのは、私のような下っ端の中間管理職です。
カラオケが苦手な「おっさん48」の最難関のシュチュエーションです。50代~60代の役員を相手にどうすればよいのか。ジェントルマンな一般のお客さんも混じっています。
ロックや最近の歌はご法度です。逆にあざとさが出る演歌もダメです。
聞かせる歌も意味がありません。基本はBGM代わりで誰も聞いていないからです。
スナックで歌う曲 1曲目
初見では、スナックのママさんや従業員を味方につけなければいけません。
①郷ひろみ「2億4千万の瞳」
②ウルフルズ「明日があるさ」
③少年隊「仮面舞踏会」
この①~③はスナックのママさんが100万回は聞かされたであろう曲で、合いの手を進んでしてくれます。
スナックで歌う曲 2曲目以降
「THE BOOM」1本に頼りましょう。
50代~60代の役員にも、一般のお客にも受けが良いです。困ったらこれです
「THE BOOM」
①島唄
②風になりたい
③神様の宝石でできた島
「おっさん48」の神髄とは?
2次会で部長に誘われて、行きつけのスナックに連れて行ってもらった。今回は、若手の有望株も連れてこいとの指示であったので、部長、上司(課長)、私(係長)、若手の4人がメンバーであった。
今回は、私が一番下っ端ではないので少しは気が楽だ。
スナックで職場の話や、部長や課長の武勇伝を聞いてくつろいでいた。暫くして部長が若手に「まぁ、楽しんでくれ。そうだ君、何か歌ってくれないか?」と促した。
誰もが通る試練である。
彼は私に助けてもらおうと、必死になってしがみつく。
若手「いや~歌はあまり得意ではないんですけど」
(嘘を付け、お前がカラオケで一番騒いでるだろう)
若手「本当に私でいいんですか?○○さん(私)お先にどうぞ」
私 「いつもの調子で頼むよ」
(すまん。ここは自分で乗り越えてくれ)
完全アウェイのこの状況で、彼が悩みに悩んで選曲した歌は・・・
「バンバンバン!バンバンバン!」
あっ!このイントロは
「はんにゅへんだー ほいのにー」
ジャッキーチェンの「プロジェクトA」のテーマ曲。
それも中国語フルバージョンだ!あまりにもマニアックすぎる!
上司はスルーを決め込んで部長と話の続きをしようとしている。私も反応しないことにした。
しかし、部長が妙に喰いついてきた。
部長「いや~なんだったかな。中国語だねぇ」
私が慌ててフォローに入る。
私「あれは、ジャッキーチェン映画の曲です。彼は筋トレが趣味で、ジムにも通ってます。部長にアピールしたかったんですよ」
部長「そうかそうか。いや元気だねぇ」
彼はそのやり取りを聞いて何を思ったのか、歌ってる最中に上着を脱ぎだして、カンフーのまねごとをやりだした。
「あっ」
「あっ」
「あぅ!」
(なにしてんだコノヤロー!!被せて余計なことするんじゃねぇよ!)
(フォローしてやったのに、俺とお前がネタ仕込んでたみたいになってるじゃねーか!)
(何で笑顔なんだバカヤロー、共犯にしやがって、少しでも同情した俺がバカだった!それに、お前のそのカンフーの動き、ジャッキーでなく、少林寺三十六房じゃないか!ホンマ腹立つわ!)
彼の歌が終わって私と上司は呆然としていたが、彼は笑顔でやり切った感を出していた。
部長「いや~面白かったよ。それはカンフーかい?」
若手「カンフーではありません!功夫(クンフー)です!!」
(テメー、もういい加減にしろよ。そこは攻めていい所じゃないだろ)
上司「そうそう、部長、中国支社のお話はどうなりました?」
上司がさっと話題を変えてきた。イレギュラー時の危機管理能力はさすがに高い。
上司と部長が話し込んでる間、私はイラ立ちが隠せなかった。
私「中国語が出来るんだね~。いつでも中国支社にいけるんじゃない?向こうが楽しくて帰ってこなかったりして」
若手「大学で中国語やってました!いつでもOKっすよ」
彼の言動が部長の何かにスィッチを入れたらしく、部長が急に歌い出すと言い出した。
上司「部長の歌は久しぶりですね。いつものアレお願いします」
部長「私も久しぶりだよ。さぁやるか」
スナックのママが手慣れた手付きで曲を入れる。
山が動いた。私は何が始まるのか固唾を飲んで見守った。
チュ~ル、チュチュル♪ チュ~ル、チュチュル♪
ああっつ!このイントロはっ!
まさかのモーニング娘 「LOVEマシーン」だっ!!
上司も立ち上がって合いの手を入れる。
上司は、私達に「お前らもやるんだよ」と鋭い目付きで合図をしたので、私達も懸命にサポートした。
部長と上司はノリノリで踊っている。
「Fu-Fu~~!」
日本の未来は~~~♪
「WoW WoW WoW~~!」
部長は歌が終わって「きみたちがこれからの未来を作るんだ」と笑っていた。スナックでの飲み会が終わった後、私は上司に呼び出されて叱られた。
上司「部長に気を使わすんじゃない!私だって忙しい部長とは滅多に飲みに行けないんだぞ!」
今回の件は、私のフォローが至らなかったせいで場を荒らしてしまった。
上司は「おっさん48」で不動のセンターを卒業して、その席を後輩に譲っている。上司の気配りや、部長の深い配慮には到底かなわない。
私が「おっさん48」のセンターを張るには、まだまだ未熟で力不足だ。
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