某宗教団体に悪質な献金を要求された家族の被害者救済処置法案が可決しようとしている。
これらの問題は今に始まった話ではなく、霊感などの知見を使って個人の不安をあおったり、不安に乗じて寄付や勧誘をすすめる行為は、昭和の時代からごく身近に行われてきたことだ。
不安や悩みを抱えた人を宗教の教義で救うことは否定しない。
そこで救われる命もある。
ただし、悪質な宗教団体は法律で規制する必要がある
悪質な宗教団体とは?
悪質な主教団体とは、信者に無理な献金や勧誘を強要させ、信者の社会生活の基盤を崩壊させる団体のことだ。
悪質な宗教団体にマインドコントロールされた人を助けるにはどうすればよいのか?
結局、洗脳による上書きでしか救えないと考えるのが普通だろう。
The・青葉春助クラブ結成
私が大学時代に「悪質な宗教」から将来のある学生を守るべく立ち上げた団体である。
以下に結成した経緯と活動内容を示す。
男子学生のキャンパスライフの幻想
はるか昔、私は理工学系の大学に通っていた。
入学当初は「男女のグループが校内のベンチに座り夢を語り合う」「恋をして、たくさん遊んで、いっぱい悩んで素敵な友人に囲まれる」トレンディドラマのキャンパスライフを夢見た男子学生で溢れていた。
男子学生が妄想する 大学生活のイメージ像 |
しかし、私の通っていた大学は男だらけで女子学生の割合は5%以下である。憧れのキャンパスライフを夢みる男子学生は、希少な女子学生を女神のごとく崇め奉りチヤホヤしていた。
こうして、女子学生を頂点とした取り巻き連中によって、スクールカーストのピラミッドが形成されていった。
「彼女を作るか、取り巻きになるか」それが問題だ |
男子学生はヒエラルキーの頂点に立つために、女の子のために講義を代わりに受けたり、食堂でご飯を奢る「ミツグ君」、駅から車で迎えに行く「アッシー君」等の見下げ果てる行為を喜んでやるようになった。
数少ないトレンディなイケメンが、校内の希少な女子学生とカップルになっていくと、あぶれた大多数の連中(頭にバンダナを巻いたチャーハン顔の男子学生)は、「○○女子大との交流会あり」を宣伝文句にしている「カレー部」「陶芸部」等のフワフワしたサークルに女性との出会いの場を求めてなだれ込んだ。
私は作られたキャンパスライフのイメージを崇拝し、右往左往する連中を見て「バカじゃない?何しに大学に入ったの?」と軽蔑していた。
私は大学で社会に貢献する面白い事がしたかったので、落語研究会のサークルに入部することにした。
落語研究会を選んだ理由は、公民館や老人ホームの慰問のボランティアがあり活動がしっかりしていること、キャッチフレーズの「喋れるエンジニアになろう」に感銘を受けたからだ。
もちろん女子部員は一人もいない。無駄な争いに巻き込まれなくで済む。
入部して1か月。落語や三味線の練習をするのかと思いきや
やらされたのは、女子大に合コンのお誘いのハガキを100通書く仕事だった。
虚しい・・
返事なし90%、お断りの返事8%、OKの返事2%程度。
有名女子大は律義にコメント付きの返事をしてくれる
「未来永劫お断りします」
「しばくぞ ボケ」
「連絡先 〇〇ー〇(警察署の番号)」
・・もう慣れるしかないとあきらめた。
悪質な宗教団体の勧誘の影
大学では怪しげな宗教団体の勧誘がおこなわれていた。学校側も宗教団体や学生運動の組織への注意喚起をおこなっていたが、怪しげな宗教団体は「○○開発センター」「学生○○協同組合」等、一見では分からない様な名前で潜んでいた。
私が2回生の時、4回生で大学を中退してコンビニでアルバイトしている先輩がいた。「こんな大学こちらから辞めてやりました」というのが口癖で、他の部員から「ガマガエル」と呼ばれていた。中退しても部室にやってきて一番偉そうに振舞っている。
ある日、ガマガエルが新入部員に怪しげな宗教団体を勧誘するようになった。ガマガエルの手口は「女性を紹介したるわ。男ばっかりでつまらんやろ」と合コンを餌に勧誘するのである。
もちろん合コン相手は宗教団体の仕込みの女の子達だ。地方から来て友達の少ない学生や、憧れのキャンパスライフを果たせない学生への寂しさや不安に付け入ってくる。
宗教セミナーに誘われた等のトラブルが絶えなかったが、私は騙される方も悪いと思っていた。ガマガエルは問題はあったが、アルバイトの斡旋もしてくれるので距離を見誤なければ大丈夫だと考えていた。
しかし、ある部員がサークルに来なくなり、大学も辞めてしまった。
<原因>
- 宗教団体の女性と仲良くなり、セミナー受講料を払って会いに行く
- 高額なセミナー受講料が払えなくなると、アルバイトを紹介される
- アルバイトをするために、大学やサークルにこなくなる
- 大学を辞める
今まで悪質な宗教団体に関心は無かったが、苦楽を共にした部員に被害が出たことに強い憤りを覚えた。私が3回生の時にサークルの部長になった際、大学側と掛け合いガマガエル先輩を出入り禁止にしてもらった。
彼女を作ることがそんなに優先順位の高いことなのか?人生を狂わすほど重要なことなのか?こんな風潮では、同じような被害が出てしまう
なんとかしなくては・・・
そこで私は落語研究会の有志と共に「The・青葉春助クラブ」を設立した。
熱血硬派「The・青葉春助クラブ」誕生
主人公の青葉春助は、おおらかで大きい女の子「Lちゃん」が言い寄ってきても「うっせーうっせー」と拒絶する硬派な男だ。
※昭和50年代~昭和60年代のちびっ子の中で大きい女の子は「Lちゃん」とあだ名が付けられた。今の大きい女の子は「進撃」と呼ばれるらしい。
「The・青葉春助クラブ」の掟
- 基本方針
あいつが誰と付き合おうと俺には関係ないからな
うっせー うっせー The 根性 - 目的及び事業
本会は青葉春助の生き様に感銘を受けた学生が、活動を通じて日本男児の心意気(意地っ張り)を取り戻すことを目的とする - 役員
名誉尊師:「The かぼちゃワイン 」青葉春助
部長 :1名(私)
部員 :落語研究会有志 7名 - 活動方針
メンバーは青葉春助のお言葉に従い、勘違い女や軟弱な男に正義の裁きを与える
ひとつ 人前で
ふたつ 不埒なラブラブ三昧
みっつ 見せてやれ日本男児の心意気 - 規則
・メンバーは竹やりを各自調達すること
・合コンは活動方針に沿った言動を心掛けること
・満月の夜に学生会館の屋上で会議を開き、活動内容を報告する
「The・青葉春助クラブ」活動内容
- 竹やりでの正義の裁き
キャンパスでいちゃつく不埒なアベックを発見したら、自己調達した竹やりで威嚇する - 自転車ルールの教え
構内の自転車乗り入れ禁止ルールを破った上、2人乗りしているアベックを見つけたら、ダッシュで追っかけて自転車のサドルを引っこ抜く - 女性に話し掛けられたら
①「うっせー うっせー」と相手にしない
②どうしても会話が必要な場合は、矢文、糸電話、伝書鳩での通信手段を使用する - 2人の女性に話し掛けられたら?
「俺を引っ張り合いして勝った方とだけ話してやる!実は、引っ張り合いで俺が『痛い』と言ったときに手を離した女が本当の勝者だけどなウヒァー!」と叫んで逃げる - 挨拶順守
①部員同士はキャンパスでは「The・根性」で挨拶をする
②1人で寂しい時は、The かぼちゃワイン ED「青葉春助・ザ・根性」を口ずさむ - 合コンで硬派男子を宣伝する
①下駄ばきで高校時代の学ランで参加
②自己紹介は「俺のパンツは前が黄色で後ろが茶色です」
③偽天然女子のボケはスルーしてツッコミ禁止を徹底する
④食べ残しは許さない 会計は1円単位で割り勘にする
⑤2次会は不参加
「The・青葉春助クラブ」集会内容
満月の夜にメンバーが集結し、学生会館の屋上で竹やりを持って掛け声を叫んでいた。
集会は私の演説から始まる。
人は愛ゆえに苦しまねばならん。
愛ゆえに!
見よ。この下界の愚かな男共は愛という名のたわ言に
迷い、悲しみ、人生を踏み外すのだ。
愛ゆえに!
ならば、愛などいらぬ!
我々が日本男児の心意気を復活させて、新しいピラミッドの頂点に君臨するのだ!
女どもに 引かぬ!媚びぬ!省みぬ!
「The・青葉春助クラブ」 バンザーイ! バンザーイ!
皆のモノ 竹やりを持て!
嫉妬の心は~~~?
「父心 エィツ! エィ!」
愛はマジック~~?
「恋はリアルタイム エィッ! エィ!」
頑張ることは~~?
「恥ずかしいことじゃない!エィー!」
救済処置としてバレンタインデーやクリスマス等のイベント時には、寂しくならない様に「青葉春助クラブ」のメンバーが集合して、マイムマイムを歌いながらプレゼント交換を行うこともあった。
「The・青葉春助クラブ」の終わり
大学4回生の時に部長の私に彼女ができた為、自然消滅となった。
思い出のいっぱい詰まった竹やりは、傘立てごと陶芸部の窯の薪用にくれてやった。
後輩が誰も後を継いではくれなかったのは悲しかったが、部員やその周りの人たちが悪質な宗教に勧誘されることも、人生を踏み外すこともなかった。
唐突に歴史の幕は閉じてしまったが、当初の目的は達成され満足であった。
温故創新
今から考えると「The・青葉春助クラブ」は当時の社会に一石を投じた、問題はあったが結果的に人を救った・・・なんて全く思わない。
マインドコントールを防ぐには、逆張りの偏見を持った洗脳行為しかないと考えること自体が間違いであった。
単に頭のおかしな集団であったと思う。
同じ目的を果たすなら、別のまっとうな手段があったはずだ。
部員も冗談で楽しく付き合ってくれていたと信じたい。
私の記憶から完全に消し去りたい黒歴史である。
人を本当に救えるのは、愛のある家族か友人しかいないのだから。
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