これから出世を目指すサラリーマンにとって、トラブル時に適切な対応をしたり、ミスを上手に処理する能力は必要不可欠です。
サラリーマンの給料やボーナス査定は得点形式ですが、出世は減点方式で行われます。
ミス後の処置を間違えると出世はできません。
私の経験上、一般的な理想論だけでは対応できませんでした。
仕事でミスをした時に、自己保身のために「これくらいはバレないだろう」とミスを誤魔化したり隠蔽することはしてはいけません。
仕事のミスは必ずバレます。その場は上手く誤魔化せたとしても、後で見つかり、結局は信用を失うことになります。
ミスをした後は素直に反省し、繰り返さないようにすれば信用は失いません。
間違ってはいませんが、注意が必要です。
ミスを素直に謝るのは、「小さいミス」をした時だけです。
小さいミスは信用を回復できますが、大きいミスでは失った信用を取り戻すことはできません。サラリーマンが大きいミスをしてしまうと、そこから這い上がるのは困難です。
上層部は大きなミスをした社員を覚えており、後でいくら実績を上げても出世させてはくれないのです。
Q:大きいミスは隠したほうがよいの?
A:ミスの大小にかかわらず、ミスは必ずバレます。
⇒なら、どうすればよいの?
以下は、私が実践しているミスのレベルに応じた、評価を下げない対処法を説明します。
仕事で小さいミスをした時の対処
(1)ミスに気付いた時点で上司に報告する
すぐに報告して素直に謝りましょう。
報告が遅れると事態は悪化して取り返しのつかないことになります。
最初の一言は「私のミスです。すみません」だけで十分です。
ここで、原因をとやかく言う必要はありません。
誰の責任か、ミスを認めて謝罪したのかを最初にはっきりとさせます。
報告する際は、ミスにより影響が出るものを調べておきましょう。
①発生日 ②不具合内容
③ミスの範囲 ④発生数量と種類
⑤選別、修正可能か否か
ここで時間が掛かっては報告が遅れるので、ざっくりとしたもので構いません
次に「ミスの内容は〇〇で、状況は△△です。どうすればよろしいでしょうか?」
と報告するのです。
最初の報告は直属の上司にしてください。
直属の上司を飛び越したり、別部署の上司に報告するのは危険です。問題が大きくなったり、こじれた場合は、直属の上司からフォローしてもらえなくなります。
上司はミスしたことを怒っているわけではありません。被害を最小限にするため次に何をすべきかを決定をしなければならないのに、判断材料を持ってこないとイライラするのです。
「俺にどうしろと言うんだ」
さらに、ミスした側が「早く判断してください」「私は別の仕事があります」等、ミスを上司に丸投げして、開き直った態度を取ることは火に油を注ぐようなものです。
ミスの内容にかかわらず、こんな部下に大事な仕事を任せようとは思わないですよね・・・・
(2)上司の指示を待つ
指示を待っている間は、被害を最小限に抑えるために、生産、流通、情報をストップさせましょう。
(3)選別、修正をする
率先してやりましょう。
自分のミスは自分で解決する意思を見せるのが重要です。
修正の量が膨大で応援を要請する場合は、応援者のために簡易的な手順書を作成し説明する。専門的知識が必要となり自分で処理できない場合は、作業が迅速に行われるよう備品調達や補助作業でサポートします。
(4)迷惑をかけた人に謝罪する
ミスの処理が一段落したらしこりを残さない様に、迷惑をかけた関係者に直接会って謝罪がするのがポイント。
直接会いに行って謝ると「次は気を付けろ 頑張れ」と励まされて、その後の処理がスムーズにいくことが多い。
(5)ミスを自己分析する
ミスの原因を明確にして上司に論理的に説明できるようにしておきましょう。「忙しかった」「慌てていた」は理由になりません。
発生した問題事象の根本原因を探るには「なぜなぜ分析」をおススメします。
ミスが発生した事象を定義して「なぜなぜ」のステップを5回繰り返すのです。
なぜなぜ解析を続ける際は、具体的な作業内容を書くのがポイントで、「~したのに」「~ので」とまとめると簡単です。ただし、注意点として、最初のステップで原因を特定すると根本的な要因が深堀できません
<悪い例>×
◇「ゴーグルをつけずに作業して、溶液が目に入った」
※原因を特定している為、対策は「ゴーグルを着用する」だけになります
<良い例>〇
◇「勢いよく容器に溶液を注いだので、溶液が目に入った」
- 溶液は少しずつゆっくり入れる
- 溶液の注ぎ口をホースにする
- 溶液が飛び散るのを想定してゴーグルを着用する
それでは、なぜなぜ分析の簡単な例を紹介します。
<例題:別の部品を誤発注>
「なぜなぜ分析」で何をすればよいのか見えてきました。
<例題:別の部品を誤発注>
〇原因解析
<発生原因>
不注意によるPC画面での末番の見落とし
<流出原因>
PCデータと品番の照合の不備
さぁ、原因と対策案を上司に説明しましょう。
説明する前に注意することがあります。
上司へ報告する対策の内容は、自分の出来るレベルにすることです。
ここでの対策案で以下になります。
<例題:別の部品を誤発注>
〇対策内容
<発生対策>
- 末番をPC入力する際は目線を外さない
- 画面を拡大したり、眼鏡をかける
<流出対策>
- 発注したデータをプリントアウトして発注表と照合する
- 類似品は末番チェック後にレ点を付ける
- プリントアウトした発注データは、後から誰でもチェックできる様に保管する
まずは、自分は何をするのか、何ができるのかを報告します。他人の作業を増やしたり、解決に時間や費用の掛かる対策を最初に言ってはいけません。
上司からすれば、それができるまで対策しないのか?自分のミスを棚に上げて、他人の負担を増やす気なのか?と勘違いされます。
(6)自分のミスは他人もするものと考え改善提案を出す
これが周囲の信頼を回復させる唯一の手段になります。
<例題:別の部品を誤発注>
〇改善提案
- リスト一覧表は部品名称と寸法表示、メーカ名を併記する
- リスト一覧表からの発注だけではなく、検索でも発注できるようにする
- リストデータの行は違う色を交互に配色して見やすくする
- 入力データと発注表の照合をルール化して手順書を作成する
自分がやりにくいと思ったことを改善したり、これをしたら間違えなかったポイントを明文化していくのです。自分がミスをしたところは他人もつまずくところです。共通の課題として、みんなの為に仕事をしやすくしてあげましょう。
以上(1)~(6)で自他ともに同じミスが発生しないようにしてください。
✅「他の仕事で成果を出せばよい」と言う人がいますが、いくら他で成果を上げても「いつか同じミスをするだろう」としか思われません。
ミスを乗り越えて成長した証を見せれば、「あいつは何をさせても大丈夫だ」と評価は大きく変わります。
もちろんミスをしないことが一番ですが、ミスをした後に丁寧な対応を心掛ければ、逆に周囲からの大きな信頼を得られることも可能なのです。
仕事で大きいミスをした時の対処
【大きいミスの定義とは】
会社に大きな損失を与え、始末書や顛末書を要求されるもの
(1)大きいミスは責任を分散
ミスの大小に関わらず報告は直ぐにしましょう。ただし、小さいミスの様に簡単に謝ってはいけません。
あなたがどれだけ上司に尽くしていようとも、TVドラマの様に「全ての責任は私にある」とは言ってくれません。大きいミスでは上司は保身に走り、傍観者の様に責任逃れをしてきます。
「それは君に任せてたよね」
「そんなミスをしないよう注意したよね」
会社に残りたいのなら、ここで誤魔化しや誇張を含んだ言い訳をします。
これは最後の手段だと思ってください。
上司や会社に責任の一端があることを主張する
実際、組織では大きなミスが発生しない様に予防処置がなされています。チェック工程があり、多くの人が携わってるはずです。1人のうっかりミスだけで発生、流出するものではありません。
ハインリッヒの法則によると、「1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景には、29件の軽傷事故、さらに300件の怪我にまで至らなかった事故がある」
つまり、1件の重大ミスが発生する背景には、多くのケアミスが隠れていたはずです。
この法則を逆利用します。
過去事例を取り上げる
- 以前から、この問題はありました
- 以前から改善をお願いしていたところです
指示を受けたていたことを強調
- 指示を受けたからやりました
- 今までこのとおりにしてきました
- いつも~~で大丈夫と言われます
指示が伝わっていなかったことを主張
- ~のことは知りませんでした
- そこまでは聞いていましたが・・
- 上司の指示が私に伝わっていなかったかもしれません
✅言い訳は「みんな知ってます」「みんなそう思ってました」と周囲の賛同が得られるようなストーリーを組み立てましょう
言い訳を決めたら何を言われてもブレずに演じ切ることが肝心です。そこに周囲の応援があれば完璧です。
(3)言い訳は強い口調で言い切る
言い切ることで、上司が直接関与しなくても、それらしきことをしたかなと?と思わせることができます。
特に有効なフレーズは
~(上司)さん 言ってましたよね
~(上司)さん 聞いてましたよね
大きいミスは会社や上司を当事者として巻き込むことが先決です。
※注意!同僚や部下を巻き込んではいけません!同僚や部下の責任にすると会社に残れなくなります。必ず上司を狙ってください。
(4)上司の指示があるまで、ミスの対応はしない
上司や会社に問題があると判断されると上層部は保身に入ります。上層部も責任を分散させるため、各部署に修正を指示します。
ここで自分が勝手に動くことはできません。指示されたことだけを黙々とやりましょう。
問題が会社全体の課題となると、個人の責任は有耶無耶にされます。
(5)大きいミスの事実と向き合う
難局を乗り切ったとはいえ、大きいミスをやらかした事実は消えません。
この方法は1回きりで2度と使えません。絶対的な恒久対策を自分に課す必要があります。次にやってしまうと「結局、アイツが悪かっただけじゃないか」ということになります。
事実と向き合い、自分を新しく作り変える機会として胸に刻むべきです。
まとめ
<私はよく電車で傘を忘れる>
遠距離通勤者のため電車の中では寝ることが多く、うっかり忘れしまうのだ。
嫁から「あなたは傘を何回忘れるの? いい加減にしてよ」と怒られて、透明のビニール傘しか持たされなくなった。
注意はするのだが、それでも3ヶ月に1回は忘れてしまう。
嫁に毎回怒られるのは嫌だ。
そんなときは
「公園で子猫が、雨に濡れて可哀そうだったので、傘を置いてきてあげた」と嘘を付いていた。
嫁は大の猫好きで文句は言わなかった。
<私はよくタバコを忘れる>
家に帰ってタバコを吸おうとしたら、職場のロッカーに置き忘れてタバコが無い。
明日まで待てばよいのだが、我慢できない時がある。
「タバコ忘れてきたので、買いに行きたいからお金貸して」と嫁に頼みたいのだが、「健康のためにタバコは止めなさい!」と言われるに決まっている。
そんなときは
「公園で見つけた野良猫のニャン太に餌あげてきてもいいかな?」と嘘を付いて、餌代と称したお金でタバコを買いに行っていた。
嫁は「猫ちゃんのためなら仕方ないよね」と快くお金を渡してくれた
<ところがある日>
嫁が「野良猫のニャン太ちゃん ずいぶん大きくなってるんじゃない?今度会いに行っていいかな」と言い出した。
ええぇ(;゚Д゚)
本当は嘘だとわかって騙された振りしてたとかじゃないの?
このピンチはチャンスに持っていけない。私はどうすればいいんだろうか
もう正直に言って謝るしかない。
私「ごめんなさい。嘘ついていました。ニャン太という子猫はいません」
・・・・・・・・・・
まさかこんなことになるなんて。
・・・・・・・・・・
嫁は少し目をくるっとさせて笑顔で言った
嫁「良かった! 可哀そうな捨て猫はいなかったのね? 心配してたのよ」
うわー
ごめんなさい ごめんなさい
もう2度と嘘は付きません
小さいことも大きいことも誤魔化さない人間になります。
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