工場で野生動物の被害が発生した話

2022/04/04

エッセイ 仕事の流儀

t f B! P L

 

工場が野生動物に襲撃されてしまう

私は都心部にある巨大な工場に勤務しています。

工場内は冷たく固い灰色のコンクリート建造物やタンクがいくつも並んでおり、その周りを鉄骨やパイプが碁盤目の様に規則正しく並んでいる。

周囲は高さ10m以上のコンクリート壁で囲まれており、城塞都市のような造りになっています。入口はセキュリティが万全で、通門証のカードキーでロックを解除しなければ工場内に入れない構造です。

そんな自然を寄せ付けない都会の工場が、野生動物の被害に遭いました。

カラス(Crow)

カラスは高い知能を持ち「鳥の霊長類」と呼ばれている

クルミ割り事件

工場内のトラックの駐車場、通路のいたるところに割れたクルミの殻が落ちていた

犯人はカラス

カラスはクルミをくわえたまま、上空15メートル程度に上昇し、そこからクルミをコンクリートに落として割っている

上空からクルミ落下後の行動

◇クルミは割れているか?(YES/No)

 ①YES

  ⇒中の実をほじくって食べる     

 ②No

  ⇒トラックが轢いてくれるのを待つ

カラスは1回目は自分で努力して、割れなければ人に頼る。最初から人任せにしないのは立派だと思う。会社の新人も見習ってほしい。

クルミはビー玉程度の大きさで工場付近では見かけないため、山で採ってきたクルミを数キロ離れた工場まで運んでいると考えられる。

カラスの知能は尊敬するが、荷台を運搬中のフォークリフトが割れたクルミ片の上を通過するとバランスを崩す恐れがあるので、クルミ片の掃除を毎朝しなければならず困っていた。

サドル引き裂き事件


カラスは工場内の駐輪所にある自転車やバイクのサドルを引き裂き、中身のクッションを引き千切っていた。

カラスは巣作りをする際に、サドルのクッションを使用すると居心地が良いことを学習したらしい。

被害は拡大し工場内全ての駐輪所に被害が及ぶ。

幸い私の自転車はサドルを引き裂かれることはなかったが、代わりに前カゴに積んでいたレインコートが引っ張り出されて辺りに散乱していた。

また、同僚が買ったばかりのバイクのサドルを引き裂かれた等の痛ましい被害も発生した。同僚は会社に被害申請をしたが、会社からは「自然災害」で片付けられた。

<その時 歴史は動いた>

会社は被害が多発しても動かなかったが、ある事件をきっかけに大きく動いた。

会社の近くに住む高給取り役員の、オンボロ自転車のサドルが引き裂かれたのである。

対応は矢のように速かった。

工場のいたるところにカラス避けの反射板がぶら下がった。まるで七夕の短冊が飾られた夏祭りの様で、会社にいながら非日常を感じさせる風景であった。

カラスは賢かったが、手を出したらいけないところにクチバシを出したため壊滅状態に陥った。

猿(Monkey)

最初、私は冗談だと思っていた。

同僚「猿がいたんだよ」

私 「何が?」

同僚「猿だよ。倉庫から出てきた」

私 「それ、Nさんのこと?」

同僚「毛むくじゃらで手を上げてた」

私 「やっぱりNさんだよ」

同僚「ちがうって、猿だって!」

私 「プロゴルファー猿の工場見学かな」

同僚「動物の猿の話だよ!」

私 「プロ猿ファー ゴルさんの方だ」

同僚の話は本当だった。掲示板に「猿が出没しているので、ドアや窓の開放時に注意してください」と張り紙がしてあった。

田舎ではよくあることかもしれないが、都会に猿がいるなんてことは想像もできない。それに厳重なセキュリティをキーカード無しでどうやって突破したのか?

その後、猿の噂で持ちきりになった

猿にまつわる噂
  • 猿がキーカードを使って通用門から堂々と入ってきた

  • 寒いので会社の風呂に入っていた

  • 車のブレーキ音がうるさいので、Nさんがボンネットを開けたら猿がキーキー叫んで飛び出てきた

  • 怒ったNさんが捕まえて山に捨てに行ったら、先に帰ってきたのは猿だった

以降の展開として

  1. 猿が出没して大騒ぎ

  2. 地元警察やTV局が追跡、網で捕まえようとするが失敗する

  3. 猿に詳しい専門家やタレントがレポートする
    (伊藤英明、加藤あい等)

  4. レポート中に猿が後ろを横切る
    (志村うしろ、うしろの状況)

  5. 地元の猟友ハンターが登場して麻酔銃で眠らせて山に帰する

ワイドショーでよくある捕り物劇が見れるのかと期待したが、その後、猿が姿を見せることはなかった。猿は突如出没し、いつのまにか消えており、逃げた猿が他所でニュースになっているのかと調べたが何の情報も無かった。

まとめ

私は猿がどこから来て、どこへ行ったのかは全く興味がありません。

今後も警戒すべきはカラスです。

彼らは知能が高く、人間の生活に対応できる多様性を持っています。いつか、カラス避けを克服する方法を見つけるでしょう。

その時にどんな知恵を使い、どんな行動を取るのか見てみたい気もします。

今度、カラスは苦労をして「忖度」を覚えるのでしょうか。

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謎の未確認生物「タマゴ鳥」を探している理系サラリーマン奮闘記。オチは最後です

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