以前、私の働いている工場でカラスによる被害が問題となり、カラス避けの対策が取られていましたが、カラスによる被害が再び発生しました。
工場で野生動物の被害が発生した話
カラスの逆襲が始まったのでしょうか?
なんと、今回の犯人はカラスだけではなく、共犯者がいたのです。
キャップ引き抜き事件発生
<被害内容>
出荷倉庫のパレットに積まれた製品の燃料キャップ(6本)が、全て外されていた現場にはカラスと猫の足跡が |
<被害状況>
現場にはカラスと猫の足跡が残っており、工場に侵入した動物の仕業である可能性が極めて高い。
取り急ぎの報告として写真とメールが送られてきたが、私は疑問だらけで正直信じられなかった。
トラブルが起こった際、うちの会社では現状保存のルールがあり、証拠保全や原因究明のために、現場をそのままの状態にしておくか、現状の写真を撮るのが鉄則である。
写真ではキャップ6本は完全に引き抜かれて、製品の上に綺麗に並べられていた。
【疑問1】動物の犯行が可能なのか?
- カラスはクチバシでキャップを外せても、引き抜くことは出来ない
- 猫はキャップを引き抜けても、全てを綺麗に並べることはしない
【疑問2】猫とカラスの共同作業は可能なのか?
猫とカラスが仲良く共同作業をする可能性は極めて少ない。
時間差の単独行動であり、カラスがクチバシでキャップを全て外した後、野良猫が引き抜いて、カラスが綺麗に並べたということになるが状況があまりにも不自然である。
さらに動機も不明だ。カラスはキャップに興味を持つかもしれないが、猫は興味を持たない。
以上のことから、私は猫とカラスの仕業だとは考えられなかった。
事件の謎を読み解く
出荷検査で何らかのトラブルがあり、キャップを戻し忘れたのが原因と思われる
※出荷検査とは出荷前に行う製品の抜き取り検査を示す。製品を各ロットごとにn=1~2個のサンプルを検査し、出荷前の製品が品質基準を満たしたしているかをチェックする作業である。
①出荷検査で個人ミスによるトラブルがあり、再確認しようとしたが、シリアルNo.を控えておらず製品を特定できなかった
③カラスがやってきて、キャップが巣作りに使えないか眺めていると、野良猫がカラスを見つけて追い掛けた
つまり、犯人は人であり、野良猫とカラスは現場に居合わせたにすぎない
これから詳しい原因調査が進めば、真実は次第に明らかになっていくだろう。
名探偵の登場
会社は調査を早々に打ち切り「カラスと野良猫」が犯人と断定。その後、カラスと猫には無慈悲な対策がとられた。
具体的な対策にあたっては、①各エリアにおける対応整備、②情報収集と共有化、③従業員、製品の安全確保④適切かつ効率的な捕獲の推進、の4点を留意する
以下の野生動物に関しては監視もしくは駆除を実施する
【カラス】保管倉庫にカラス避けを設置
【野良猫】捕獲及び駆除を行う
※野良猫に餌を与えている従業員がいるとの通報があり、今後見つけた際は厳罰に処す
私の工場では、親会社を軸に多くのグールプ企業が在籍して一緒に仕事をしている
グループ協力企業 |
各グループ企業が使用する共同エリアでの事件だけに、原因の特定と調査が難しかったのだろう。大した被害も出ていない社内のトラブルに時間を掛ける必要は無く、結論として野良猫やカラスが工場内に居ることが不適切であるとの基本原則でしか着地点が無かったものと考えられる。
会社の名探偵の推理には逆らえない。
なんだかすっきりとしない幕引きになった。
まとめ
会社組織において、真実はいつも1つである必要はありません。
都合の良いものが1つあれば良いのです。
- そんな器用な猫やカラスがいたら飼いたいね。部屋の掃除もしてくれるよ
- 頭の黒いネズミもいたんじゃないの?
- 頭は子供 体はオトナの推理だよね
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