鉄道ファンのイメージが損なわれている
鉄道ファンのイメージが損なわれている原因は「迷惑な撮り鉄」です。
迷惑な撮り鉄は、駅で出待ちを注意する駅員の胸ぐらを掴んで罵声を浴びせたり、近隣のゴミのポイ捨て、私有地の無断立ち入り、線路への立ち入り、電車の運行を妨げる等の迷惑行為をしています。
駅のホームで危険行為をする撮り鉄 |
もちろんそんな人はごく一部で、ほとんどの撮り鉄の人はマナーを守って撮影してますが、迷惑行為で目立つ人のせいで世間でのイメージは悪くなりました。
迷惑な撮り鉄の行動が、他の観光客や鉄道利用者、そして鉄道ファンコミュニティ全体に悪影響を及ぼしているのを見ると悲しくなります。
安全でマナーを守り、共有の喜びを広げるために、同じ鉄道愛好者として迷惑な行動をする撮り鉄に改善を促すことはできないのしょうか?
鉄道ファンの種類
京都鉄道博物館:SL義経号 |
鉄道ファン(鉄ファン)は多岐にわたる興味やアプローチを持つ個人が集まる多様なコミュニティです。電車の写真を撮る人だけが鉄道ファンではありません。以下に、一般的な鉄道ファンの種類を紹介します。
撮り鉄
列車や鉄道関連の写真や動画を撮影することに情熱を注ぐファン。鉄道の機関車や車両の種類やデザインに興味を持ち、撮影スポットを訪れることが好きです。
模型鉄ファン
鉄道模型を製作・収集し、模型列車の運行やレイアウトの構築に興じるファン。独自の鉄道の世界を作り上げ、模型イベントや展示会に参加することが一般的です。
歴史研究者
鉄道の歴史や発展に深い興味を抱くファン。歴史的な鉄道の車両や路線、技術の進化について研究し、鉄道博物館や保存鉄道の訪問が好きです。
運転士志望者
自らが列車の運転を経験したいと考え、運転手になることを夢見るファン。模型列車やシミュレーションソフトを通じて運転のスキルを磨くことがあります。
技術者・エンジニア
鉄道の技術やエンジニアリングに興味を持つファン。車両のメンテナンスや修理、鉄道のインフラに関する知識を深め、技術的な側面に関心を寄せます。
旅行鉄
鉄道旅行を愛するファン。国内外を鉄道で旅することが好きで、列車の風景やサービスを楽しむことが目的です。
鉄道写真家
鉄道の美しい瞬間や風景を捉えることに情熱を注ぐファン。撮影技術や構図を磨き、美しい鉄道写真を公開することが多いです。
保存鉄道支持者
鉄道の歴史的な価値を守り、保存鉄道の活動や施設をサポートするファン。保存鉄道イベントへの参加や寄付活動が一般的です。
鉄道ファンの世界
私の息子は小さい頃から電車が大好きで、高校生になっても情熱は冷めやらず、新幹線や特急車両に乗って1人旅をしています。
子供に影響されて、交通科学博物館や京都鉄道博物館に行くようになると、私も鉄道が好きになりました。
息子は普通と急行を乗り継いで、帰りは新幹線で帰ってきます。路線を組み立てて様々な電車に乗るのが楽しいらしく、旅行の7割は電車の中で過ごしています。
鉄道ファンの種類では「旅行旅+撮り鉄=乗り鉄」になるようです。
息子は京都鉄道博物館で、本物の蒸気機関車が牽引する客車に乗車できる「SLスチーム号」に乗って以来、蒸気機関車SLが好きになり、蒸気機関車に乗れるイベントを探して旅行しています。
京都鉄道博物館:SLスチーム号 |
京都鉄道博物館では、本物の蒸気機関車が牽引する客車に乗車できる「SLスチーム号」がおススメです。
レトロな乗車席の優美さがたまりません。京都の風景を見ながら乗っていると「世界の車窓から」のワンシーンを演じている気分になりますよ!
駆動部車輪の鼓動、蒸気の排出音、まるで生きているような力強さを感じます。
乗車料金は大人300円、子供100円とリーズナブルな価格も魅力的。家族全員でSLに乗って、息子と一緒に写真を撮りまくりました。私は鉄道ファンの中では「撮り鉄」の分類ですね。
「鉄道」とは、家族一緒に楽しめて、子供との絆も深められる共通の趣味なのです。
迷惑な撮り鉄になる要因
運動会などで我が子の特別な瞬間を良いポジションで撮影したい親が、前席に脚立や撮影器具を置いて場所取りをし、立ち入り禁止のロープを越えて演技中の子供を撮影する行為に似ています。
昔の鉄道ファンは細々と楽しんで群れないイメージでしたが、SNSが普及すると「バズった」「エモい」をコミュニティで競い合って、迷惑行為を顧みなくなりました。
SNSで承認欲求を満たす人の心理は、他者との比較、ポジティブな反応への報酬感、自己表現とアイデンティティの構築、孤独感の緩和、パーソナルブランディング、新しい情報へのアクセスといった要因が影響します。
これらの要素が組み合わさり、SNS上での承認が個人の自尊心や価値感を確認し、孤独感を軽減し、他者との繋がりや成功の実感を求める心理的な動機となります。
バランスを保ちつつ、現実の人間関係や社会のルールを大切にすることが重要です。
迷惑な撮り鉄を取り締まるには
具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。
- 鉄道会社や自治体は、迷惑行為の定義を明確化し、マナー違反や迷惑行為を行った撮り鉄に対して、厳格な取り締まりを行う。
- 警察は、迷惑行為の発生状況を把握し、悪質な迷惑行為については、刑事罰の適用を検討する。
- 撮り鉄のコミュニティやSNSを通じて、迷惑行為を自粛するよう呼びかける。
迷惑な撮り鉄対策は、鉄道会社や自治体、撮り鉄のコミュニティなど、さまざまな主体が協力して行うことが重要です。
例えば、JR東日本は、2021年に、東京駅の構内にある「鉄道博物館」の屋上に、鉄道撮影専用の場所を設けました。また、神奈川県横須賀市は、2022年に、国道134号沿いの歩道を、鉄道撮影専用の場所として指定しました。
しかし、以上の対策をしても、SNSで承認欲求を満たす「迷惑な撮り鉄」が減ることは無いでしょう。彼らのアイデンティティーや存在意義は、”これらの対策を超えたもの”でしか測れないからです。
宝塚ファンのマナーから学ぶこと
ベルサイユのばら:オスカルとアンドレの銅像 |
「清く 正しく 美しく」
宝塚歌劇の偉大なる父、小林一三翁が提唱した宝塚歌劇団のモットーです。華やかな夢の舞台を支える歌やダンス、演劇といった芸能の基本はもちろんのこと、礼儀作法やマナーをわきまえ、一人の女性として、社会人としての品格を忘れないようにと贈った言葉です。その崇高な精神はファンにも受け継がれています。
宝塚ファンの出待ちは厳格な「掟」が存在します。出待ちには列で並び、序列の高い仕切り役が号令をかけると一斉に座り、一斉に立ち上がる。その規則正しく統制のとれた光景は壮観ですらある。
電鉄と宝塚歌劇団がコラボして、電鉄のイベントにの宝塚スターを招待したらどうでしょうか?迷惑な撮り鉄が、宝塚ファンの礼儀正しい姿を見て感動し、改心してくれるに違いないと思うのです。
コミュニティとマナーを尊重することで、これらの問題を緩和し、鉄道ファンとしての楽しみを共有できます。
<アナウンス>
3番線に特別列車が到着しまーす。なお、本日は宝塚歌劇団のスター、鈴最優さんにご乗車いただいておりまーす。
宝塚ファン:「立ちまぁ~す」「座りまぁ~す」
迷惑撮り鉄:「どけー」「邪魔だー」
宝塚ファン:「たとえ時計の針を戻せても、私は同じ道を選ぶだろう」
迷惑撮り鉄:「何言ってんだ、どけー」
宝塚ファン:「飛び出し禁止、フラッシュ禁止と誓ってくれるな」
迷惑撮り鉄:「うっせーわ 黙れー!」
宝塚ファン:「オンドレ!」
スミレの花~咲くころ~♪
宝塚歌劇団:伝統のラインダンス |
迷惑撮り鉄:「あっ!痛い、ちょ タイム」
<アナウンス>
続いて3番線にポケモン入りまーす。
ゲーマー:「レアモンGETだぜ!」
<アナウンス>
さらに氷川きよし入りまーす。すぐさま羽生結弦選手入りまーす
駅のプラットフォームで迷惑撮り鉄と宝塚ファンが喧騒している中、ズンドコ節が鳴り響き、くまのプーさんが乱れ飛ぶ。三つ巴ならぬ四つ巴の激アツの展開。
混沌とした状況の中、最後に生き残るのは歴史と伝統のある宝塚ファンです。
宝塚ファンにより迷惑な撮り鉄は壊滅、もしくは「清く 正しく 美しく」改心させられていることでしょう。
現に宝塚歌劇団の親会社である阪急電鉄では、宝塚歌劇団のイラストのラッピング電車や、記念乗車券、特別列車などのコラボ企画をしています。
こういった催しも考えてみてはどうでしょうか。
鉄道ファンとしてのこれから
鉄道愛は、誰もが小さな頃から始まります。
家族ではじめての鉄道旅行
時刻表や路線図を見ながら、駅弁を食べて、靴を脱いで車窓を眺めると、見たことも無い美しい風景が広がっています。
鉄道は私たちの生活に深い足跡を刻んできました。鉄道に対する情熱と興味は、ただの趣味以上のものであり、新しい発見や冒険、出会いをもたらします。
また、鉄道の技術も日進月歩。新たな車両やリニアモーターシステムが導入される中、技術への興味も鉄道愛好者たちを更なる探求へと駆り立てます。
鉄道はその形態や歴史、技術において驚くべき多様性を持っています。保存鉄道、新幹線、地下鉄、そして国境を越える国際列車まで。各種類の鉄道が持つ個性や特徴を探るのも楽しみです。
鉄道ファン同士、ルールを守り、初心に帰って、鉄道が提供する素晴らしい体験を共有しましょうよ。
<私は子供達が親と一緒に旅行するのを嫌がるまで、鉄道の旅を続けようと思います>
私の存在など、歴史の歯車には無にも等しい。
そんな心の甘えをいつも自分に許している存在だ。
子供たちは、いつまで楽しく親と一緒に出掛けてくれるだろうか。
その時まで「清く 正しく 美しく」鉄道を楽しむことを誓う。誓うのだ!
千の誓いがいるのか、万の誓いが欲しいのか。
命を懸けた言葉をもう一度言えと言うのか。
愛している!愛しているとも!
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